家では見えない子どもの姿 〜家と幼稚園・学校は、求められることが違う〜
「家では普通に話しているのに、幼稚園ではあまり話さないそうです。」
「家では何をしたいのか分かるのに、学校では自分の気持ちを伝えられないと言われました。」
そんな話を聞くと、お母さんは驚くかもしれません。
「家ではできているのに、どうして?」
そう感じるのは、とても自然なことです。
でも、それは、子どもがいる環境が違うからおきることです。
家は、”安心して過ごせる場所”
家庭では、一緒に過ごす時間が長いからこそ、 お母さんやお父さんは、子どものことをよく知っています。
小さな声で、一言話しただけでも、
「あ、お茶が飲みたいんだね。」 「これで、遊びたいんだね。」
と、子どもの気持ちを、自然に読み取ることができます。
言葉が少なくても、伝わる。
それが、家庭という、安心できる環境です。
幼稚園や学校は、”伝える力”が必要になる場所
一方で、幼稚園や学校には、先生や友達がいます。
周りの人は、お母さんのように、 毎日の様子をすべて知っているわけではありません。
そのため、
「何をしたいのか。」 「何に困っているのか。」 「どうしてほしいのか。」
を、自分の言葉で伝える力が必要になります。
友達との遊びでも、同じです。 自分の思いを伝えたり、相手の気持ちを聞いたりしながら、一緒に遊びを進めていきます。
もし、言葉でうまく伝えられないと——
伝わらないもどかしさから、行動で表現してしまったり、
「どうせ、伝わらないから……」
と、話すことそのものを、諦めてしまったりすることもあります。
その積み重ねが、
「この子とは、遊びにくいな。」 「違う子と、遊ぼう。」
という、友達とのすれ違いにつながることもあります。
家と外では、求められる姿が違う
だからといって、 「家でも、もっと頑張らせなければ」と思う必要はありません。
私は、
家は、安心して過ごせる場所。 幼稚園や学校は、少し挑戦してみる場所。
だと考えています。
安心できる場所があるからこそ、子どもは外で、新しいことに挑戦できます。
そして、少し頑張って疲れたら、また家で安心する。
この繰り返しが、子どもの心を育て、 少しずつ「できた」という経験を積み重ねていきます。
その経験が自信となり、新しい知識や経験とつながりながら、 子どもの成長へとつながっていくと考えています。
子どもの姿を理解するために、大切なこと
家で見せる姿も、その子の本当の姿。
幼稚園や学校で見せる姿も、その子の本当の姿。
大切なのは、どちらか一方だけを見るのではなく、 両方の姿を知ることです。
家庭・幼稚園・学校。
それぞれの場所で見えている子どもの姿をつなぎ合わせることで、 本当に必要な支援や環境が、見えてきます。
まずは、 「家と幼稚園・学校では、求められることが違う」
ということを、子どもの周りの大人が理解すること。
そこから、本当の子どもの姿が見えてくるのではないでしょうか。
次回予告
第3話「先生からの一言の意味」
「少し気になることがあります。」
先生からそう言われたとき、どのように受け止めればよいのでしょうか。
次回は、先生が伝えようとしている本当の思いについてお話しします。


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