計算が遅い どうして?

学びのヒント

「うちの子、計算が遅いかも…」その悩み、実は計算だけの話じゃないんです

「足し算はできるのに、引き算になると急にスピードダウン…」 「10まではできるのに、繰り上がりになると固まっちゃう」 「計算はできるのに、文章問題になるとお手上げ」

そんな姿、見たことありませんか?

飲み物をそばにおいて、ちょっと聞いてください。 実は「計算ができる・できない」という見方だけでは、その子が本当はどこまで分かっているのか、見えてこないんです。

大事なのは、

  • 数の意味が分かっているか
  • 「足す」「引く」ってどういうことか分かっているか
  • それを毎日の生活とつなげられているか

この3つなんです。


「100まで数えられる」=「計算ができる」じゃない

「うちの子、100まで数えられるから大丈夫」って思ったこと、ありませんか?

実はこれ、けっこう誤解が多いところ。 「数えられること」と「計算できること」は、ぜんぜん別の力なんです。

小学校では、 数える → 10までの足し算・引き算 → 繰り上がり・繰り下がり → 大きな数 というふうに、少しずつ階段をのぼるように進んでいきます。 数えられるからといって、その階段を全部のぼれているとは限らないんですね。


「5+3=8」ができても、意味は分かってる?

たとえば「5+3=8」がスラスラ言えたとします。 でも、その子は「+」の意味、ちゃんと分かっているでしょうか?

思い出してみてください。幼児期って、 「クッキーが5個あって、3個もらったら、全部でいくつ?」 みたいに、実際にクッキーを並べながら「合わせると増える」を体で覚えていきますよね。

その体験がたっぷり積み重なって、はじめて 「合わせる」という出来事を「+」という記号で表せるようになる。

つまり、 実物 → 言葉 → 数 → 式 という順番の橋渡しが、実はとっても大事なんです。


「7-5」ができても、「引き算」が分かっているとは限らない

ここ、1年生がよくつまずくポイントです。

「7-5=2」が計算できたとしても、 「鉛筆が7本、消しゴムが5個。どっちが何個多い?」 と聞かれたら、答えられるでしょうか?

これ、「7から5を取る」という引き算とは、ちょっと違う頭の使い方が必要なんです。

「2つの量を比べて、違いを考える」という力。

引き算とひとことで言っても、

  • なくなる
  • 取る
  • 減る
  • 2つを比べて違いを出す

と、意味はいろいろ。 だから「7-5ができる=引き算が分かっている」とは、実は限らないんですね。


まずは「言葉」で聞いてみて

「計算が遅いかも」と感じたら、ドリルを増やす前に、こんな質問を投げかけてみてください。

  • 「どっちが多い?」
  • 「全部でいくつ?」
  • 「あと何個ある?」
  • 「どっちが何個多い?」
  • 「3個減ったらどうなる?」
  • 「2個増えたらどうなる?」

おもちゃやお菓子、鉛筆やお箸を使いながら聞くのがおすすめです。

おうちの中には、算数の教材がたくさん転がっているんですよ。


「できない」じゃなくて「どこまでできてる?」を見てあげる

算数の「できる」には、実はこんな段階があります。

  1. 数を順番に数えられる
  2. 物と数を1対1で対応できる
  3. 「合わせると増える」が分かる
  4. 「減る」が分かる
  5. 2つの量を比べて「違い」が分かる
  6. 「+」「-」の記号と意味がつながる
  7. 言葉を式に置き換えられる
  8. 式を見て、場面がイメージできる

「できる・できない」の二択で見るのではなく、

「うちの子は、今どのあたりにいるのかな?」 と見てあげること。これがとても大切です。


幼児期の「数える経験」が、小学校の算数につながっていく

特別な教材なんていりません。

おやつを配るとき。 おもちゃを片付けるとき。 兄弟にお箸を配るとき。

「全部で何個ある?」 「〇〇ちゃんのほうが何個多い?」 「あと何個残ってる?」

そんな、なんてことない会話が、子どもの中に「数の感覚」を育てていきます。

数える。比べる。合わせる。増える。減る。違いを見つける。 こういう毎日の積み重ねが、やがて学校で習う「式」につながっていくんです。


「遅いな」と感じたときこそ、少し立ち止まってみて

「もっと計算させなきゃ」

そう思う前に、ちょっとだけ立ち止まってみてください。 必要なのは計算をたくさんやることじゃなく、

一歩前に戻って、実際の物を使って考えてみること

かもしれません。

「できていない」と決めつけるのではなく、 「この子は、どこまで分かっているんだろう?」 と見てあげる。

それが、子どもの「困った」に早く気づいてあげる、いちばんの近道です。

幼児期から小学校低学年は、こうした「数の土台」を育てる大切な時期。 ママの小さな気づきが、子どもの「困った」を早めに助けてあげることにつながります

できないところ探しじゃなくて、 できているところから、その子の「次の一歩」を見つけていきましょうね。

お子さんの学びにちょっと困ったら、いつでも相談してください。どんな子かな?どんな学びが合うんだろう?のヒントになったら嬉しく思っています。

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