
”幼児期にできること”をまとめてみました。
笑って入学を迎えるためにちょっと意識してみませんか?
うちの子ちょっと気になるママへ
役立つ記事になったらいいな♪

「幼稚園や保育園に行きたくない」
「小学校に入学したけれど、なかなかなじめない」
最近、そんなお話を耳にすることはありませんか?
子育て中のお母さんなら、「うちの子は大丈夫かな…」と、ふと心配になる瞬間があるかもしれません。
小学校への入学は、子どもにとって生活が大きく変わる節目です。
新しい先生や友達、はじめての学習、これまでとは違う生活のルール。大人が思っている以上に、子どもたちはたくさんの変化に向き合っています。
私は小学校の教員として子どもたちと関わる中で、学校生活を送るためには、読み書きや計算といった学習面だけでなく、困ったときにどうしたらよいかを知り、自分に合った方法を見つけていく力もとても大切だと感じてきました。
では、入学前の幼児期から、どんな力を育てていくとよいのでしょうか。一緒に見ていきましょう。
小学校生活では、困ることもたくさんあります
小学校では、先生の話を聞いて次の行動を考えたり、時間割に合わせて準備したり、友達と一緒に活動したりします。幼稚園や保育園よりも、「自分で考えて動く場面」がぐんと増えるのです。
- わからないことがあっても、どう質問したらよいかわからない
- プリントのやり方がわからず、周りの友達がどんどん進んでいくのを見ている
- 間違いを指摘されると、恥ずかしくなって何も言えなくなる
- 友達に自分の気持ちを伝えられず、相手に合わせてしまう
こうした姿の背景には、さまざまな理由が考えられます。言葉で説明することが難しいのかもしれません。間違えることが怖いのかもしれません。疲れていて、考える余裕がなくなっているのかもしれません。
学校に行きたくない理由は、一人ひとり違います。だからこそ、子どもの様子をよく見て、「何に困っているのかな?」と考えることが大切なのです。
幼児期から育てたい3つの力
子どもの発達はゆっくり、そして一人ひとりペースが違います。だからこそ、「できる・できない」を急ぐのではなく、心の土台になる次の3つの力を、日々の子育ての中で少しずつ育てていきましょう。
1「助けて」「手伝って」と言える力
困ったときに、誰かに助けを求めること。これは、学校生活を送るうえでとても大切な力です。
何でも自分一人でできる必要はありません。わからないときに「教えて」と言える。難しいときに「手伝って」と伝えられる。困ったときに、先生や友達に相談できる。こうした経験が、子どもの安心につながります。
🏠 おうちでやってみよう
遊びの中で子どもが困ったときに、「どうしたらいいかな?」「誰に聞いてみようか?」と一緒に考えてみましょう。大人がすぐに解決してしまうのではなく、子どもが自分で助けを求める経験を少しずつ積み重ねることがポイントです。
2「わからないから教えて」と言える力
子どもにとって、間違えることは簡単なことではありません。できると思っていたことができなかったり、友達はできているのに自分だけできなかったりすると、悔しさや恥ずかしさを感じることがあります。
大切なのは、間違えないことではありません。
「間違えても大丈夫」「わからないことは聞いていい」と思えることです。
「違うよ」とすぐに教えるのではなく、
「どこが違うのかな?」「一緒に考えてみようか」と声をかけてみます。
そして、大人自身も間違えたときに「間違えちゃった。もう一回やってみよう」と口に出してみましょう。そんな姿を見て、子どもは間違えることは恥ずかしいことではなく、考え直したり学び直したりするきっかけなのだと知っていきます。
3うまくできなくても、もう一度やってみようと思える力
はじめてのことに挑戦するとき、最初からうまくできるとは限りません。思いどおりにならなかったり、失敗したりすることもあります。
そんなときに必要なのは、無理に頑張り続けることではありません。安心できる環境の中で、「もう一回やってみようかな」と思える経験を重ねることです。
すぐに大人が完成させてしまうのではなく、子どもが試行錯誤する時間をつくってみましょう。そして、完成したときだけでなく、工夫したことや途中で考え直したことにも目を向けます。
「さっきと違うやり方を考えたんだね」
「難しかったけど、もう一回やってみたね」
そんな声かけが、次の挑戦につながっていきます。もちろん、疲れているときには休むことも大切です。休んでからもう一度取り組むことも、自分に合った方法を見つける大事な経験になります。
子どもが「困った」と言えないとき、大人にできること
ここで、一つ大切なことをお伝えします。それは、こうした力を子ども自身の努力だけで育てようとしないことです。
子どもは困っていても、自分から「困っています」と言えるとは限りません。特に幼児期は、何に困っているのかを自分で整理して言葉にすることが、まだ難しい発達の時期だからです。
- みんなが活動しているのに、一人だけ動けずにいる
- 何度も周りの友達の様子を確認している
- うまくできないと、急に黙り込んだり、怒ったりする
もちろん、行動だけで理由を決めつけることはできません。だからこそ、「どうしてできないの?」ではなく、「何か困っていることがあるのかな?」という視点で、表情や行動を見てあげてください。
私が出会った子の中に、困ったことがあっても何も言えず、ただ「うーん」「うーん」とうなっている子がいました。
そこで私は、「困ったときは、『手伝って』って言ってね」と声をかけました。そして、その子が「手伝って」と言葉にしてくれてから、手伝うようにしたのです。
すると少しずつ、自分から「手伝って」と言えるようになっていきました。「うーん」というサインの奥には、「困っているけれど、どう言えばいいかわからない」という気持ちが隠れていたのですね。
困ったときに使える言葉を教えてあげよう
子どもが困っている様子に気づいたら、大人がその気持ちを言葉にしてあげましょう。
- 「やり方がわからないのかな?」
- 「どこから始めたらいいか、一緒に考えようか?」
- 「先生に教えてって言ってみようか」
- 「手伝ってほしいときは、手伝ってって言っていいんだよ」
- 「今はちょっと難しいかな。少し休んでからにする?」
最初は、大人が子どもの気持ちを代わりに言葉にしてあげて大丈夫です。そして少しずつ、「わからない」「教えて」「手伝って」「休みたい」といった言葉を、実際の生活の中で使えるようにしていきます。
困ったときに気づいてもらえた経験や、助けを求めたら応えてもらえた経験を重ねることで、子どもは「困ったときは伝えてもいいんだ」と感じられるようになっていきます。
困っている様子が続くときは、環境を見直してみよう
声のかけ方を工夫することはとても大切です。でも、それだけでは解決しないこともあります。
- 集団の中では何をしたらよいかわからず動けない子が、少人数になると落ち着いて取り組める
- 口で説明されるとわかりにくい子が、絵や写真で手順を見せると自分で進められる
- 周りの音や人の多さに疲れてしまい、本来の力を発揮できなくなっている
そんなときは、活動の量を減らす、手順をわかりやすく伝える、静かな場所で過ごすなど、その子に合った方法を探してみましょう。
ジャンバーをハンガーにかけようとして、「できない!」「できない!」と困っていた子がいました。
そこで、「頑張って」と励ますのではなく、やり方を一つずつ順番に伝えてみました。
- まず、ジャンバーを手で持つ
- こっちの袖に、ハンガーを通す
- それから、上から押さえる
「やってみてごらん」と、その子のペースに合わせて進めていくうちに、少しずつ自分でできるようになっていきました。できなかったのは、「やる気」がなかったからではなく、やり方の順番がわからなかっただけだったのです。
- 誰が声をかけるか(担任の先生、園の先生、ご家族など、その子が安心できる人は誰でしょうか)
- どう声をかけるか(「頑張って」ではなく、「手伝ってって言ってね」「まず袖を通そうか」のように、次にやることがわかる言葉で)
- できることを増やすために、一度にたくさん求めず、一つずつ・その子のペースで進める
子どもに力をつけることと、子どもが力を発揮できる環境を整えること。
この2つは、セットで考えましょう。
困っている様子が続くときには、子どもがその場で頑張り続けることだけを求めず、環境との相性を見直してみることも大切です。
子どもには、心を休ませる時間も必要です
困っている子どもを見ると、「どうしたらできるようになるだろう」「何と声をかけたらいいだろう」と、お母さんは一生懸命に考えますよね。
でも、子どもが疲れ切っているときは、どんなに適切な声かけをしても、受け止める余裕がないことがあります。そんなときは、頑張らせることよりも、まず休ませることが必要かもしれません。
心が疲れているときには、休むことも大切な支援です。
- 安心できる場所で、ゆっくり過ごす
- 好きな遊びを楽しむ
- 何かをできるようになることを求められず、ほっとできる時間を持つ
こんな様子が見られるときは、無理をさせず、休ませることも考えてあげてください。
- 食欲がない
- 体調が悪そう
- 夜、なかなか眠れない
少し元気が戻ってきたときに、「やってみようかな」「今度は言ってみようかな」という気持ちが生まれることもあります。
困っている様子が続く場合は、休ませるだけでなく、何が負担になっているのかを考え、必要に応じて園や学校と相談しながら環境を整えていきましょう。
小学校入学までに大切なのは、何でもできるようにすることではありません
ここまで、幼児期から育てたい3つの力と、周りの大人ができることをお伝えしてきました。
✨ まとめ
- 困ったときに、助けを求めること
- わからないときに、「教えて」と言えること
- うまくいかないときに、自分に合った方法を探せること
そして、周りの大人が子どもの困りごとに気づき、安心して過ごせる環境を整えること。この日々の積み重ねが、子どもが自分の困りごとを伝え、周りの人を頼りながら学んでいくための土台になります。
これらの力は、気持ちを落ち着ける力、人と関わる力、うまくいかないときに工夫する力など、テストの点数だけでは測りにくい「心の力」です(専門的には「非認知能力」と呼ばれることもあります)。小学校入学のためだけでなく、中学校やその先の人生でも、きっと子どもを支えてくれると私は考えています。
小学校に入るまでに、何でもできるようにしておく必要はありません。大切なのは、子どもがどんなときに困り、どんな方法なら安心して取り組めるのかを知ることです。
「どうしてできないの?」
から
「何に困っているのかな?」へ
子どもを見る目を少し変えることから、おうちでできる支援が見つかることがあります。
🌷 子育て支援Ringからのご案内
子育て支援Ringでは、お子さんの行動の背景や、その子に合った学習の進め方・環境について、一緒に考えるセミナーや個別相談を行っています。
- 「うちの子、小学校でやっていけるかな?」
- 「困ったときに、先生に相談できるかな?」
- 「今、家庭でできることは何だろう?」
そんな思いをお持ちの方は、ぜひご活用ください。お子さんの今の姿を一緒に見つめながら、その子に合った方法を探していきましょう。
子どもを変えるのではなく、その子に合う方法を一緒に探す。
それが、子育て支援Ringの大切にしている支援です。


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